歯周病の症状・診断

軽度歯周病(歯肉炎)

1、プラーク性歯肉炎

プラーク(歯垢)の付着により、歯ぐきに限局した炎症を認め、発赤腫脹を認めます。
ブラッシング時に出血を認めたり、口臭が気になったり歯ぐきがむずがゆく感じたりします。

エックス線写真において、歯槽骨の吸収は認められません。プラークを治療により除去することで軽減・消失します。

2、妊娠関連性歯肉炎

妊娠期に特有の女性ホルモンのバランスの変化によってプラーク蓄積に起因する炎症が一時的に増強された状態です。

女性ホルモンが増加した環境を好む歯周病原細菌(prevotella intermedia)が存在することが知られています。

プラークコントロールによって症状は消退・軽減しますが、発症するとコントロールが難しい場合があります。
通常、出産を終えホルモンバランスが回復すると症状は軽減します。

3、薬物性歯肉増殖症

特定の薬剤を常用している患者によく見られ、歯肉の著しい増殖とそれに伴う仮性ポケットの形成を特徴とします。

直接の原因はプラークですが、常用している薬剤が歯肉の線維芽細胞に作用して歯肉増殖が亢進するとされています。

歯肉増殖を起こす薬剤としては、抗てんかん薬のフェニトイン、降圧剤のニフェジピン、そして免疫抑制剤であるシクロスポリンなどがあります。

発症するとコントロールが難しく、再発することもあり、担当医師により服用している薬を中止あるいは変更することで軽減することもあります。

慢性歯周炎(歯周病)

一般的に35歳以上に発症することが多く、原因は、ブラッシング不良による蓄積された細菌性プラーク(歯垢)です。

慢性歯周炎は、慢性に進行しますが、活動期と休止期を繰り返し進行します。
破壊の範囲によって、全体の30%未満に罹患している場合は限局型、30%以上に罹患している場合は広汎型に分類されます。

歯肉炎と違うところは、歯茎に限局した炎症ではなく、歯を支える歯槽骨、歯と歯槽骨をつなぐ結合組織性付着にまで炎症が波及し、通常歯肉炎から歯周炎に移行します。

歯周炎の臨床症状としては歯肉の発赤腫脹が認められ、歯周ポケットからの排膿を認めることもあります。歯根面にはプラークや歯石の沈着を認め、歯の周囲には歯周ポケットが形成され、歯茎の周りが刺激されると容易に出血します。

エックス線写真像において歯を支える歯槽骨には吸収が認められます。その範囲は、歯周病の進行に伴い大きくなります。

骨吸収が進行すると歯の動揺や歯の病的移動がみられ、歯槽骨の吸収に伴い歯茎も退縮してきます。
適切な治療がされず、放置すると最終的には脱落します。

軽度歯周炎

・歯槽骨吸収度あるいはアッタチメントロスが歯根長の1/3以下。
根分岐部病変がないもので歯周ポケットが4㎜未満は軽度歯周炎です。

軽度歯周炎の症状では、歯茎に発赤腫脹を認め、ブラッシング時の出血や口臭、歯茎のむずがゆさやお口のネバネバ感などの症状がでます。軽度の段階では歯の動揺はまだ認められないことが多いです。

中等度歯周病の症状と診断方法

・歯槽骨吸収度あるいはアッタチメントロスが歯根長の1/3から1/2以下。
根分岐部病変があるもので歯周ポケットが4㎜から6未満は中等度歯周炎です。

中等度歯周炎の症状では、軽度歯周炎と同様に歯茎に発赤腫脹を認め、ブラッシング時の出血や口臭、歯茎のむずがゆさやお口のネバネバ感などの症状がでます。

また部位によっては歯周ポケットからの排膿も認めることが多くなります。
そして、歯茎の退縮なども認められるようになります。

 

重度歯周病の症状と診断方法

・歯槽骨吸収度あるいはアッタチメントロスが歯根長の1/2以上。
根分岐部病変が2度以上で歯周ポケットが6㎜以上は重度歯周炎です。

重度歯周炎の症状では、中等度歯周炎の症状と同様に歯茎に発赤腫脹を認め、ブラッシング時の出血や歯茎のむずがゆさやお口のネバネバ感などの症状がでます。

また口臭も強くなり、歯の動揺も著しくなり、歯周ポケットからの排膿も多くなります。

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侵襲性歯周炎とは?

全身的には健康であるが、急速な歯周組織破壊、家族内集積を認めることを特徴とする歯周炎である。

また、一般的には細菌性プラークの付着量は少なく、患者さんは10歳から30歳代が多い。

患者によってはAggregatibacter actinomycetemcomitansの存在比率が高く、生体防御機能、免疫応答の異常が認められるなどの二次的な特徴があります。
とくに免疫の中核を担う好中球の走化性の減少が認められることが研究で明らかになっています。

私自身、アメリカのボストン大学歯学部歯周病科に留学した際に侵襲性歯周炎の研究に従事していました。

研究成果については、歯科界最高峰の学術誌であるJournal of dental research に掲載されています。
侵襲性歯周炎の治療においては基本的には慢性歯周炎の治療と同様に行っていきます。

歯周病と口臭

口臭の原因として次の4つが考えられます。

まず、一つ目の原因は歯周病です。
口腔で一番考えられるのは歯周病です。
過去の研究で歯周病と口臭の間には高い相関性があることが知られています。


歯周病の特徴は歯周ポケットができることです。これは口の中の細菌の格好の住みかを提供します。

細菌の中でも嫌気性菌は代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンを産生します。
これが口臭のもとになります。

客観的に口臭の度合いを測定する装置がありますので、調べることができます。また歯周病のチェックも必要です。
歯周病が原因の場合は、歯周病治療を行うことで口臭も改善します。

2つ目の原因は全身の病気です。
胃がんや肺がん、糖尿病や肝硬変などによりアセトン臭やアンモニア臭といった、歯周病が原因による口臭とは違う独特な匂いがすることがあります。

3つ目の原因は食べ物です。
ニンニク、ニラ、ネギ、たくあんなど臭いの強いものを食べたり、アルコールや喫煙によりいったん体内に取り込まれた臭いの元になる成分が胃の中で消化され血液を介して全身に循環し肺を経由して吐き出される。

お口をきれいにしても臭うことがあります。

4つ目の原因は生理的な口臭です。
朝起床時や空腹時に臭うことがあり、女性の場合生理時やその前後ホルモンバランスの不調により口臭を感じるときがあります。

生理的口臭には日内変動がみられますが、ゼロ(無臭)になるということはありません。
私たち人間は生きている限り、毎日食事をし、口の中ではさまざまな代謝が行われているので、
無臭でいることはありえません。

ですから、あまり神経質になる必要はなく、他人を不快にさせるような強いにおいがでないように気をつければいいのです。
問題となるのは、病気によって発生する口臭です。

口の中の病気、鼻のどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気などが口臭と関連していると考えられていますが、
口の中の原因が口臭全体の90%以上を占めています。

歯周病が進行するメカニズム

歯茎が腫れるメカニズム

歯周病は歯周病菌が歯と歯茎の間の歯周ポケットに棲みつき、繁殖することで進行していきます。

この歯周病菌は歯垢から歯石へと変化させ、歯の表面や歯肉へ蓄積させていきます。
歯周病菌は、内毒素を産生します。内毒素は、歯肉と歯肉繊維に炎症を起こします。

歯肉に侵入した細菌および内毒素を撃退するために毛細血管から好中球やマクロファージのような免疫応答の細胞が現れ、
この一連の過程で毛細血管も拡張し、出血もしやすくなり歯茎も腫れてきます。

歯茎が下がるメカニズム

ある程度歯周病が進行した状態になると歯周病原菌は歯周ポケットの奥深くに潜り込んできます。
歯を支えている歯槽骨は、感染を起こさないために自ら歯周病菌から遠ざかるように溶けていきます。

歯茎は、歯槽骨の上に付着しているだけですので歯槽骨の吸収とともに歯茎も下がっていきます。

歯がぐらぐらする、抜けるメカニズム

通常、歯は歯槽骨により歯根膜を介して支持されていますので、グラグラすることはありませんが、
歯周病の進行とともに歯槽骨が溶けてくると支持する歯槽骨が減少しグラグラしてきます。

基本的に動揺を認める歯は 、重度の歯周病に罹患している可能性が高いので早急な歯科の受診をお勧めします。

歯周病専門医による高度な歯周病治療

静岡歯周病治療クリニックは、歯周病専門医(日本歯周病学会)と補綴専門医(日本補綴歯科学会)の両方が在籍する静岡市内唯一の歯科医院で、専門的な治療をおこなっています。歯周病分野については軽度のものから、他医院で抜歯を勧められるような進行した歯周病を再生療法により改善し、歯を保存する治療まで、留学経験のある院長が学んだ世界水準の治療を提供。静岡県内トップクラスの技術と実績があります。